本作は、映像制作概論の講義にて、「漫画を実写化する」という課題のもと制作した、『斉木楠雄のΨ難』第2x「最低Ψ悪!?燃堂力」の再現映像です。編集の制約として、カット編集と効果音のみ使用可能という条件があり、その中でいかに作品の魅力を表現するかが大きな課題となりました。
原作はギャグ漫画であり、絵の“見た目の迫力”よりもテンポ感やセリフ回し、間の面白さが魅力です。そのため、アクションカットを多用しつつ、テンポの良い構成とカメラ演出によってギャグの“勢い”を視覚化することを意識しました。
再現しやすいバトル漫画や、派手な見せ場がある作品を選ぶチームが多い中、私たちはあえて**「面白さ」そのものに挑戦する作品選びをしました。たとえば、原作では三人称視点で1コマで描かれる「殴られる」シーン**を、一人称視点に変え、尺をしっかり使って臨場感と笑いを引き出すといった工夫を取り入れました。
また、淡々と進行する原作のリズムを活かしながらも、構図・カメラアングル・タイミングの緻密な調整によって、シーンに“勢い”と“間”を生み出すことに注力しました。
この制作を通して、限られた編集手法でも伝えられる面白さがあることや、「魅せ方」次第で原作を超える表現が可能になることを実感できました。また、チームでアイデアを出し合いながら「笑い」を追求する楽しさと難しさを深く学ぶ機会となりました。
原作:麻生周一(集英社)
監督・脚本:勝井翔英
演出:勝井翔英 、神谷太一
編集:勝井翔英
カメラ:勝井翔英、神谷太一、大塚晴貴
出演
神谷太一(斉木楠雄)
加藤幸之助(燃堂力)
石原歩夢(高橋)
大塚晴貴(体育教師の松崎)
勝井翔英(モブ先生)
古川進次郎(モブ生徒)